其の七 球遊び

千里の先も舞台は地

旅をせよ。地球という大広場で遊べ。

相手を鋭く洞察し、持ちうる全ての表現力を絞り出す。

意志の疎通が叶ったとき、己の中で何かが弾け、潜在していたものが溢れ出す。

それはまるで、空気を解き放つ力量が過ぎた時、稀に溢れ出る肥料に似ているとまでは言えないが、しかし学校で起きたときは大変だった。

幼子はあらゆる要求をただ泣いて表現する。

言葉が、分からないからだ。否、それが唯一の言葉だと言える。

その唯一の言葉を理解された幼子は、さらに言葉の幅を広げ、生きる力を身に付ける。

それは大人になっても同じだ。持ちうる全ての手段を出し尽くして初めて幅が広がる。

人は、その理解し難い言葉が、実は理解でき得ることを、経験から知っている。

異国への旅という球遊びは、その最高の舞台である。

翻訳機でも、指差し会話帳でも良い、あらゆる手段を駆使せよ。恥じることは何もない。

壁を越えて行け。

旅の目的

イタリアの写真家、マシュー・カーステン曰く

Investment in travel is an investment in yourself.
旅への投資は、自身への投資である。

かわいい子には旅をさせろ。とは、良く言ったものである。

最初の旅は、数日だけでも良い。週末に仲間と一緒に異国へ足を運んでみよ。

言葉、民度、習慣、景観、通貨、治安、衛生。ありとあらゆるものが異なる環境は、己の潜在能力を引き出す至高の環境である。

そんな環境の変化に適応してゆけ。

その過程で、自分でも気付かなかった力が、内側から沸々と湧いてくる。

壁を越えて征け。

来る未来へ

人、モノ、情報、技術が溢れかえった今、世界は目まぐるしく変わる。

常識、習慣、法律やビジネスも変わる。世界は、もっと収縮していく。

限界集落だった地域に、異なる言葉を話す隣人ができる日が来る。

日本がまるで異国であるかのように、想像もつかない社会になっていく。

仮にそんな日が来たとしても、混沌の荒波を悠々と見下ろす空の王者が如く、まるで世界の変化を知っていたかのように、強く、広く、逞しく、生きよ。

知識や技術、財力や家柄、人気や容姿、仕事や職場の問題ではない。

世界がそばにある、と意識することだ。

世界のどこにいようと、それは世界なのだ。球は等しく回り、転がっても球なのだ。

幼少期に球技で戯れ、知らずのうちに運動能力を高め、健康な体を作り上げた。

大人になっても、球で遊べ。

良識を高め、健康な心を作り上げろ。

 

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漢になっちまうぜ?

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