其の三 偉人との対話

読書とは先哲との

読書の極意、それは著者との対話である。

書物には、物理的に会うことができない世界の識者や指導者の声が、詰め込まれている。その声に耳を傾け、目を通すのだ。

伝記を読めば、偉人の人生を我が人生の一部とすることができる。和の呼吸である。

古典に関して言えば、現代でもその名が色褪せない、時代を駆け抜けた故人からの手紙である。

そこにはいつの時代でも通用する不変の智慧が遺されている。自分が人生の岐路に立たされた時、身の回りには古今東西の偉人が智慧を分けてくれる。

ロシアの大文豪、トルストイは仰せである。

The sole meaning of life is to serve humanity.
人生の唯一の意義は、人のために生きることである。

これほどまでに現代の世に響き渡る言葉があるだろうか。1世紀以上も前に記された一節が、言霊と成りて、我々の心の臓を揺らす。

これが読書である。対話なのだ。良き書物は良き人格を育む。

現代の病みを癒せ

現代には心に穴が開いてしまった人が多い。そのことに気付かせてくれる人も少ない。

SNS上には、世界中の人々が、似たようなことを、似たような場所で、似たような物を、似たようにしている。そこまでは良い。

若くしてその人生に自ら終止符を打たざるを得なかった同胞が問う。

自分がそうでないと疎外感や劣等感を感じてはいないだろうか?

穴が空いてしまった心には、何を入れても直ぐにまた空になってしまう。良書や良き友好関係はその穴を塞いでくれる。そして心をより豊かにしてくれる。

世界が一時の人気を集めている間に、お前も同じように真似をする必要はない。時間の無駄だ。人生は短い。貴重な時間だ。

もし、他人の真似事をすることで本当にお前の心を絶対的に満たしてくれるのであれば、やれば良い。ただしそのときは、胸を張って「真似事をしてこの先もずっと幸せです」と言え。

もしそうでないのであれば、教養の根を深く広く伸ばせ。世界の偉人と書物を通して語らえ。友人と、その書物について語らえ。

壮絶な人生を駆け抜けた世界の偉人の声は、現代にも必ず通用する。生きる力となり、それが必ず人生を豊かにしてくれる。これは間違いのないことだ。

世界のどこにいても、良書から離れることなかれ。

 

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