其の十一 国境なき縁結
暗黒を貫く銀河の如く
古来より、愛の形は万華鏡である。
兄弟愛、姉妹愛、親子愛、総じて家族愛。友愛、恋愛、師弟愛、隣人愛、自然や動物への愛、人には変幻自在の愛がある。
本来、愛とはそのものの価値を認め、大事なものとして慕う心。
しかし、時代の世論によって、特定の愛が弾圧されたきた。
階級、宗教、国籍、性別、家柄、年齢、人種。
これらが分厚い障壁となり、時の「禁断の愛」と称されたものがそれである。
例を挙げれば、星の数ほどあるだろう。
近代でも戦争で引き裂かれた愛、部族間の争いで土へ還った愛もある。
混沌に紛れ、闇に葬られた悲しい過去である。
だが時は流れ、今の世論が、ようやく純愛に散った者たちに追いついてきた。
闇に葬られたはずの歴史が、その一つ一つが輝きを取り戻し、闇夜に流れる銀河の如く現代人を魅了する。
塾生よ、濁世の下らぬ物差しで人の愛を測るな。
愛は愛を以て知れ。
漢の愛に国境なし
グローバル化の民主化が進む今日、うぬらにも異国の民と縁する機会がやってくる。
その時は、一期一会である。
祖国で異国の民と縁したなら、尚のこと真摯に向き合え。
彼らは、地元民の眼には見えない戦いをしている。
その縁が恋愛へと発展した日には、大いに受け入れろ。
ただ、真の恋愛とは綱引きではなく、二人三脚であることを忘れるな。
フランスの作家、サン=テグジュペリ曰く
Love does not consist in gazing at each other, but in looking together in the same direction.
愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。
それが例え異国の地であっても臆するな。先の見えない不安を理由に妙なる縁をないがしろにしてはならない。
闇夜に流れる銀河に問え。
禁断とされいてた一線を越えたことに、一塵の後悔があるか、と。
砂利ん子が親父のげんこつを喰らうが如く、その愚問に彗星が降り落ちるだろう。
異文化との深い関わりは、見識や器量を大きくする。
この講義を受けた君よ、
君はまた、真の漢へと一歩近付いてしまった。
過去の講義、受けたらんかい!
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漢になっちまうぜ?