2020年7月15日
2020年7月30日
其の十三 道草の功名
目的地までの何か
世界一周を夢見る旅人が、その旅路を完歩したとき、万感の想いが溢れ出す。
達成感も然る事乍ら、 数々の思い出が旅人の心を彩るからである。
これまではずっと欲しいと思っていたものに、ようやく手が届いたとき、それまでの何かが、実はもっと大切なものだったと気付くこともある。
人生という長い旅路で、楽しい穏やかな道を歩むとこもあれば、険しい道のりを越えなければならない日もあるだろう。
しかし、そんなときでも、焦らずゆっくりと、巌窟王の如く、着実に人生の経験値を積んで征け。
順風満帆だった青年は、嫉妬と強欲の化身によって無実の罪で投獄された。しかし、獄中で出会った老人に万学の智慧を授かり、痛快な復讐劇を成し遂げる。
獄中での出会いを大切にしていなければ、彼はそこで朽ち果てていただろう。
旅の途で何が起きようとも、全ての出来事には意味があると思い定めて受け入れよ。
巌窟王の筆者、アレクサンドル・デュマは豪語する。
toute la sagesse humaine sera dans ces deux mots : Attendre et espérer !
人間の叡智はすべて次の言葉に尽きる。待て、而して希望せよ!
心置きなく、道草を楽しめ。
目的地に辿り着くまでの何かを大切に。
過去の講義、読んだれや!
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漢になっちまうぜ?